「千愛……」

あいはそう言って私の耳に顔を寄せる。

「……俺から、離れないで」

ドキッ……

え?

あい、今『俺』って言った……?

それだけじゃない。

『離れないで』

どこか切なさを含んだその声に、

自然と鼓動が速くなる。

かーーっと顔が赤くなって、

今にも爆発しそうになった頃にやっと離れた。

「ほんと、次はこんなんじゃすまさないから」

そう言ってピンっと軽く私の額を弾いたあい。

うっ……。