幼なじみのイケメン御曹司に独占されてます。

さあっと風が吹いて、西沢さんの髪をさらっていく。

「……ダメだったな」

悲しさの滲む笑顔を見せて、

吹っ切るように髪をかきあげて大きなため息をつく。

「もう完敗よ、完敗」

「西沢さん……」

「なに、憐れむとかやめてよね。お人好しなんだから。だから私みたいなのに意地悪されんのよ」

い、意地悪って、

「もしかして、昨日愁と帰ったこと教えたのって西沢さんだったの?」

「そーよ、たまたま二人の姿見ちゃったの。悪い?」

なるほど、納得……

ちか、それで知ってたんだ。