なに?約束って。

なんでそんなに仲が良さそうなの?

なんで私、こんな気持ちになってるの……?

きゅっと胸元を握っても

暴れる鼓動は落ち着いてくれなくて。

『付き合ってるって噂まで流れてるって……』

……そりゃそうだよね。

美男美女でお似合いだって思っちゃうもん。

……私とは全然違う。

さっき二人を見れなかったのは、お似合いだって認めたくなかったから。

……子どもっぽいな、私って。

なぜか溢れそうになる涙をぐっとこらえて

チャイムの音とともに席に着く。

そんな私を愁が見つめていたことには気づかなかった。