「ううん。……なーんか不穏な会話が聞こえてきたから」

地獄耳……!

「千愛が付き合ってる人は誰?」

私の頭に手をあてて、目線を合わせるように軽くかがんだちか。

か、顔が近いっ……

ドキンっと胸が高鳴って、

返事を促すように私の目をまっすぐ見つめてくるちかに

なんとか口を開く。

「ち、ちか……」

「ん、よかった」

そんなことを言って、

ぽんぽんと頭を撫でるちかにかあっと顔が赤くなる。