自分のことを『俺』って言ってたし、

私のこと壁に押し付けたり、冷たい瞳で見つめたり……

「……嫌われたかな」

そう呟くと、愁が足を止める。

頷かれるのかと思って俯いていると、

「なんでそう思うかなー?」

「え?」

パッと顔を上げると同時にデコピンされる。

「いたっ!」

「ほんと鈍感だね。予想以上だよ」

ど、鈍感?

「……ちかはね、君のこと大切に思ってるよ」