幼なじみのイケメン御曹司に独占されてます。

「……千愛、怪我は?」

「な、ない、です……」

なんとかそう答えたけど、つい顔をパッとそらしてしまう。

そんな私の態度に、あいの眉がピクリと動いたけど

すぐにいつもの笑顔を浮かべた。

「ねえ、千愛さ。最近僕のこと避けてるでしょ?」

ビクッ……

「さ、避けてなんかないよ?」

「へー、そう?愁と一緒に廊下走っていくとこ、よく見るけどなあ」

いつもよりどこか鋭いような、

イラついた感じの声でそう言ったあいに、思わず俯いてしまう。