あいがそういったとき。

「え……あれってもしかして堂坂様じゃない?」

「どうしてうちの制服着てるの⁉︎」

なんとなくざわざわしてきた通学路に、愁が肩をすくめる。

「やれやれ、早速だ。学校でも思いやられるな。千愛ちゃん、よければ俺を守ってくれる?」

「へっ?」

思わず間抜けな声を出すと、愁はいたずらっぽくあいを見てから私を見た。

「俺ね、千愛ちゃんとクラスが一緒らしいんだよ」