振り返るとそこに立っていたのは、

まぎれもない昨日出会った愁。

そっか、そういえば今日から同じ学校に通うって言ってたっけ。

「おはよ、千愛ちゃん」

「お、おはよう。愁も徒歩で通うんだね」

てっきり、執事付きの高級車で登校するかと……。

「初日くらいはね。目立つのも嫌だしさ」

い、いやあ、多分その容姿でどうやっても目立っちゃうと思います……。

そう思って苦笑いしていると。

「っ……おい、愁」

息を切らしたあいが愁の肩を掴む。

「お前、勝手に走るなって……って、千愛っ?」