「きゃーーーーっ!!」
「…」
今日はドキドキが止まらない大人デート、だと思ってたのに。
俺の心臓は、さっきからずっと別の意味でドキドキしてる。
「たっくん、もう一回乗ろ!ちょうど空いてるよ!」
「え?う、うん」
ワンピースをふんわりと揺らしながら、朱里は嬉しそうに楽しそうに駆けていく。
…もう5回目の、ジェットコースター乗り場へと。
すっかり忘れてたけど、朱里ってこう見えて昔から大の絶叫マシーン好きだったりする。
それでも家族で行くときは、歩夢が身長制限で乗れないし。一人で乗るのも嫌みたいだから、いつも歩夢に合わせて子供向けのアトラクションを楽しんでるんだよね。
だからまぁ、二人の時に思いっきり絶叫マシーンを楽しみたいんだろうけど…


