「ああ、昨日のあれ?」
「うっ…」
「朱里、可愛かったね」
「ううっ…」
たっくんには一生敵わない、と思った。
だって朝から余裕たっぷりなたっくんと違って、私はまともに言葉を発することさえできないのだから。
「もしかしてあれで疲れたと思ったの?」
「だって…」
「寧ろ元気になってるんだけど。可愛い朱里いっぱい見れたからかな?」
「そ、そんなの知らないっ…ご飯食べなきゃ冷めちゃうっ」
誤魔化すようにお茶碗のお米をかき込めば、たっくんはまたクスクス笑って携帯をこちらに向けて。
ーーーパシャ、パシャ…
あろうことか、頬いっぱいにたっぷりご飯を詰め込んでいるなんとも言えないこんな顔をカメラに収めた。しかも連写で。


