「悪いけど今それどころじゃないから。じゃあまた、」
『待て待て待て待て待て待て待て待て』
「はぁ…何なの?」
『じ、実は…』
「うん?」
どうせ大した話じゃないくせに深刻そうな声出しちゃって。面倒だから聞き流しとこ。
そう思って散らばった絵本を本棚に片付けながら、適当に耳だけ傾けていたんだけど…
『それが…小春と危機なんだよ。マジで大ピンチ』
「え?それ、どういうこと?」
『なんか急に“諒ちゃん臭い!”とか言ってトイレに駆け込んでった。俺、死んでいい?』
「えっ?えっ?」
あまりの衝撃に、聞き流すことなんてできなくて手に持っていた絵本をバサバサ床に落としてしまった。
歩夢を起こしてしまったかと慌ててベッドに目を向けてみると天使の寝顔で眠っていてホッとした。
ああ、うちの子は寝てても可愛い…
いやいやいや、違う。そうじゃなくて。


