「私たち、やっぱり戻れない?」
さっきから悠李とどう接すればいいのかばかり考えている。
好きって言葉一つに踊らされて自分の心がざわざわする。
頭の中整理つかない。
「私のせいなのは、分かってるんだけど」
震えちゃだめだ。私が悪いのに、これ以上悠李を悪者なんかにできない。
時間が解決するんだって思ってた。
時間が経てば戻れるって。
だけど時間が経つほど変わらないのは私だけで、悠李は前に進んでいる。
「いや、どっちかと言えば俺のせいだろ。俺が小雪に好きなんて思わなければ、小雪の戻りたい関係になれたんだけどな」
さっと風が流れた。
蝉の鳴き声がうるさいはずなのに時間が止まったみたい。
悠李が、哀しそうな目をして、ふっと逸らした。
さっきまで、悠李が私のこと好きなんだって好奇心、どうして?どこが?でいっぱいだったのに、私に対してそんなに苦しそうな顔、するんだ。

