まるで嵐。私たちの表情は暑くてしんどいからこうなってるんじゃない。
人的に崩されたんだよ。
やっぱ蓮は変わらないな。
自分の気持ちに正直で、すぐ行動に移せてそれでもって一途で。
ちょっともやもや。
ムカつくの中に羨ましいって感情もあることにさらにもやもや。
あれにもやもやしてるとか負けた感じがして嫌だ。
ん?負けた?
負けって何?
この状況を負けって認めるの?
「……何?」
悠李は怪訝そうな顔で見下ろす。
悠李がいたからなのか。
私が影になっていたのは。
そして一瞬にしてことに気づく。
私、幼なじみに告白されてるんだった。
その状況から今すぐ逃げ出したいのに悠李の影がそうさせてくれない。
「暑いからさ、移動しようよ」
「そうだね。いつまでも人の家の前にいても邪魔だしな」

