突然、濃い影が落ちてきた。
「…何してるのそこで」
影なのに、明るい。
顔、いや首を上げないと君の顔は見えない。
コンビニ袋を下げて私たちを見下ろしていた。
「……悠李」
「小雪、何してるの」
抑揚のない声、下がった瞳孔。
私たちに圧をかけるのは十分くらいで。
「この人、去年、同じクラス、だった人。たまたま会って、話し込んだだけ、だよ」
声、震えるな。
悠李が怖いと思うなんて初めて。
どうしよう、もう戻れないかもしれない。
幻滅された。
震えてる私の横で、蓮はぼーっとしたまま。
おい、おめーも何か弁解しろ。
すっと蓮は立ち上がった。
すっとしすぎて集団行動でぴしっと揃いに行くレベル。
2人が並ぶと身長差がすごくて、もはや兄弟、いや親子。

