「感動の再会シーンは私じゃなくて愛華ちゃんでしょ」
「ええっ」
何だそのあからさまなドン引きは。
演技してるかん満載で笑えん。
こっちが逆にドン引きしたい。
「それ言っちゃう!?やだなあ、小雪ちゃん。ひと夏の太陽にそんなこと願いません」
お前なら願う。絶対願う。そういうやつだろお前。
そんなやり取りしてるとコップの中の氷は解け、ぬるくなり始める。
家の中ではきゃっきゃうふふと楽しそうな子どもたちの声が聞こえる。
「ねえ、蓮ってお兄ちゃんなんだね」
「そうなんだよ!下に6人いる。今日は末っ子が検診だから僕たちはお留守番なんだ」
もっといたとは。
意外。蓮ってどっちかというと弟だと思ってた。
それか一人っ子か。
うーん、でも一人っ子代表の悠李とは違うかも。

