「悠李がうちに来なくなっても悠李のお母さんはよく来てくれるよ」
そう、うちのお母さんと小雪のお母さんはすごい仲いいんだよね。
母と息子の二人暮らしになってからこの町に引っ越してきた。
お母さんの地元で実家の近く。そして同い年の子どもがいる昔からの友達がいる。
いつ一緒だったか忘れたけれど学生時代仲良くて、今でもママ友兼親友らしい。
けれど、その話は聞いてない。
俺が小雪の家に行かなくなってからお母さんはこの家の話題を出さなくなった。
きっと俺らの間に何かあったと気づいてるんだと思う。
「正直に言うと寂しかった。ってお母さんが」
あ、お母さんが。
一瞬小雪が思ったのかと心が跳ね上がりそうになった。
この気持ち知られたら恥ずかしい。
「ねえ、悠李ってさ、自分のことクールだとか思ってない?」
……はい?
「感情けっこうダダ洩れだからね?」
「は?」
「何年一緒にいたと思ってるの。いくら周りが悠李のことクールとか無表情とか冷血漢とか血が通っていないって言っても……」
「後半悪口じゃねえか」
俺、そんな評価されてんの?
そういえば美織は何考えてるか分からないみたいなことよく言ってた気がする。

