何年も2人で話したことない。
どうして小雪が俺を誘ったのか。
何を小雪は望んでいるのか。
ずっと小雪は探っている。
分かりやすく俺の心の底を言葉でえぐってくる。
ごめん。もう少しだけ気づかないままで、流させて。
「あーれ、悠李じゃん」
玄関にドアをかける直前だった。
ちょうど真上にある2階の窓から手を振るのは陽介くんしかいない。
それは分かってるんだけど…
金髪にジャラジャラしたネックレス、耳元のピアス。
え、陽介くんってあんなにチャラかったっけ?
「とりま家に入れよ。暑いだろ二人とも」
家の中に入ると、変わらないままの姿が。
季節ごとに飾られてるリースにたくさんの花。
綺麗なものに囲まれているこの家が大好きだった。
玄関が一番気合入ってるように思える。
まるで絵本の世界に迷い込んだみたいだ。
「お前らはよ入れ。うわー外あっつ!冷気逃げる!」

