「身長高くなったね、悠李」
「小雪は縮んだ?」
「うっせ。頭かち割ってやろうか。悠李がただただでかくなっただけだろ」
「あははっ」
「笑うな。けっこう気にしてるんだからねこっちは。高身長で不利なことなんてないでしょう」
「いやあ、この身長だとスポーツしてるだろって言われるんだけど、一切スポーツ歴ないのにさ。バスケしてる?とかバレーやってんの?とかねーよ」
「想像を絶する運動音痴だもんなあ」
「小雪が言うなや。あーあ、この身長結城にでも分けてあげられたらいいんだけどな」
「あいつ、イケメンでバレー部のくせにチビだもんね。昔から身長順ぶっちぎって先頭だったし」
あはは、と小雪は笑う。
それを聞いて俺も笑えてくる。
いつ以来だろう。小雪とこうして帰り道を歩くのは。
こんなにくっだらない会話できるの久しぶり。
「あーれ、なにニヤニヤしてんだか」
「小雪こそ。嬉しそうじゃん」
「おだまり」

