今も昇降口で小雪が待ってる姿見られてないか不安で仕方ない。
「あっれー?悠李じゃん」
このおちゃらけた口調を聞いてぞっとした。
昇降口の段差でちょこんと座ってる小雪の隣には後ろ姿でバレー部ですと大主張してるあの奴。
「小雪ちゃんが待ってたのって悠李だったのー?え?再熱?」
にやにやが止まらない結城の横で小雪は完全に無を貫いてる。
俺が来るまでこの状況だと思うとなかなかカオス。
「それじゃあ、お幸せに~」
あまりに小雪が無だからなのか結城は諦めてどっか行った。
固まった体が動き出すのと同時に一気にぶわっと不安がこみあげてくる。
また誰かに言いふらすかもしれない。
また孤立して噂の標的になるかもしれない。
お互いがお互いのままでいられなくなって壊れてしまう。
「悠李?ねえ、悠李ってば」
小雪の声ではっとした。
だけど近い。目の前過ぎてビビるわ。

