結城は愛華と付き合いたい。
それしか考えていない。
だからといって美織を傷つけていい理由にはならないのに。
自分の目的を達成させるためならえげつない手段でも負けを潰しておく。
こんな非情なヤツ見たことねーよ。
だけど、結城はくっくっと笑いをこらえているようにも見える。
こいつ一発殴ってもいいかな。
「お前が感情むき出しで怒ってくるのレアだなあ。そんなの美織のこと好きなの？」
ハア？どうやったらそんな思考回路になるんだ。
これだからパリピは…。
「いや、お前が好きなのは小雪ちゃんか」
にやりと上がる口角、挑戦的な目。
俺がここからどう行動取るのかをこいつは謀ってる。
太陽の下で様子見が続いて疲れたのか、結城は降参ですと言わんばかりのポーズでため息をついた。
