「よく男子のみなさん外で遊べるよねー」
「それな……あれ、美織、小雪が呼んでるくない?」
「ええっ?」
廊下のほう見ると、小雪がひらひらと手を振ってる。身長低いからほとんど顔しか見えてない。
いつも私が小雪のクラスに行ってたものだから、こっちにわざわざ来てくれるなんて珍しい。
「どうしたの?教科書でも忘れた?」
「ううん。そういうのじゃなくて…」
言いにくそうに、気まずそうにじいっと下を向いて、私と目を合わせない。
いつもはバシッとものをいうタイプで、もじもじしているところなんて見たことない。
「私から言うのは違うかもしれないんだけど、ちゃんと言っておかなきゃと思って」
え、何その言い回し。
怖いんだけど。
小雪はバッと顔を上げて私の目をじっと見た。

