「俺さ、鈍感じゃないからずっと分かってたんだ。美織が俺のことどう思ってたのか。俺にとって美織は友達で、今更好きになんてなれない。時間が経つほどそれは感じてきて、他の女子に恋することで罪悪感感じてくるばかり」
結城は前だけを見てる。
俺の方を見ない。
淡々と事実だけを説明しているようだ。
「それなら一度付き合ったらいいのかな。美織の想いを叶えてあげたら辛い思いさせなくて済むのかな」
急にばっと結城の顔がこっちを向く。
太陽が直接当たってこいつのイケメン度さらに高めてる。
汗までもキラキラしてるの本当にやめてくれ。
「その後、振るつもりだった。一か月ぐらいで満足するだろうって思って。俺と美織はカップルにはなれない。ほら、あるじゃん。絶対にカレカノにはなれない人って。今さらそういうの……」
「言い訳はもういい」
聞けば聞くだけ無駄だ。
普通、謝らねえか?
傷つけてごめんとか、そういうの一言ぐらいないのか?
自分のした行為にタラタラと理由並べて正当化しようとしてる。
ここまで言い訳並べられると、ギャン泣きしてわがまま言う子どもよりもタチが悪い。

