諸々準備してリビングに向かう。
誰もいない。
テーブルの上にはきれいにラップがかけられた朝食。
それをはがして、箸持ってきていただく。
まあ、母と息子の二人暮らしなんて今時珍しいものじゃないよね。
小一の時に両親が離婚して以来、このオンボロアパートで二人暮らし。
こんな家でもそんなに寂しくはなかったんだけど、そろそろ一人に飽きつつある。
学校に行けば友達に会えるってのと違う。
急激に寂しくなってくるこの衝動は、あの子がいないから。
時間に余裕はあるけれど、標準的に急いで家を出る。
アパートの階段を下りると、ぱっと目が合ってしまった。
最悪だ…って思ってるのはお互い様。
「よっ、悠李」
「おはよう、結城」

