「なんで……」
あ、目覚めた。
手を伸ばしたままおはようございます。
いや、この手は何をしようとしてたんだ?
邪念を振り払うかのように頭を掻く。
俺の中にある想いだけは絶対に落ちない。
小雪、何度君の姿を妄想したことだろう。
もう離れて二年くらいになるのか?
会いたい。抱きしめたい。
そういう気持ちを夢の中に押し込めてきた。
この気持ちは絶対に外に漏らしちゃダメだから。
コケコッコー!!
ちょっと遅れて目覚まし時計が朝を告げる。
夏休み真っ只中。
午前中だけだけど、部活は真面目に参加する主義なので、学校がある平日と変わらぬ時刻。

