夢を見てるって自分で分かるときがある。
こんなの現実じゃないって夢の中の俺が警告を上げている。
なのにこの夢の中のふわふわした感触がよくて目覚めたくない。
見たことのない玄関。
これは、誰の家だろう。
そんなのお構いなしに、慣れた様子でドアを開ける。
ただいまー、と大きな声で言いながら革靴を脱いで隅っこにきれいにそろえる。
俺、革靴なんて持ってないんだけど。
そんなセルフツッコミも夢に消え、またもやきれいにちょこんと揃えられてるスリッパに足を通す。
すると、パタパタと足音が聞こえる。
俺はその音に心が躍る。
「おかえり、悠李」
キラキラとした顔で俺を見上げているのは、真っ白なエプロンを着た俺の幼なじみ。
え、何でそこにいるの?