青の彷徨



小雪からあったかいエールを貰って学校が終わった。


「悠李、それ数学のノート!それじゃあ!」


ちょうど数学の係の人が後ろにいてよかった。

さようならのらの字が終わる前には動き出したレベルで教室を飛び出し、階段をいっこ飛ばしで降り、昇降口でストーカーのごとく待機完了。



耳を澄ましたところ、まだお隣のクラスのHRが終わってなさそうだったから、これはオッケーと取ろうかね。


私がここで突撃したら、きっと明日、蓮の告白並みな騒ぎになるんだろうな。


そしたら約束通り、結城を守れなくてごめん。


最後くらいいいじゃん。




昇降口に待機してどれくらい経つのかな。


別クラスの友達とバイバイを交わし、誰待ち?と女友達にナンパされ、そろそろ立ってるのも疲れてきた。



今日休みってことはなかったよね?

ちょっと隣のクラスの下駄箱を覗くと、結城が大好きなスポーツブランドの靴があるからまだ安心。



もうちょっと頑張ってみようかな。

頭の中で何回もシミュレーションしたし、突撃するのも、言葉も全部決めてきた。