「私、決めた。結城と別れる」
「……えっ」
絶句って顔しなくてもいいのに。
小雪は寒い廊下で手をさすっていたのに完全に停止した。
「そんなに意外だった?」
「美織はうちらがどう言っても別れる気ないと思ってたから」
どんな頑固娘だと思われてたんだ。
たしかに昔の私だったらこれも試練だとか言って結城と話し合うルート取ってたかもしれない。
めっちゃ考えた。
一日じゃあ答えなんか出なくって、ずっと結城のこと考えてたんだよ。
幼い頃の思い出全部、キラキラしてたのが、濁ったものに変わっていった。
好きだって気持ちよりも辛くて忘れたくてしょうがない。
こんなのもう付き合ってて意味あるのかな。
恋ってこんなに辛い気持ちになるものなのかな。
離れる選択肢を選んだことに後悔はない。
私たちはきっと交わらない。

