そのまま小雪はどっかに行ってしまった。
小雪は優しいから。昔からずっとそこだけは変わってないから。
小雪が苦しんでるの分かるのに。
今の私には掛ける言葉が見当たらない。
何が正解で、何が過ちなのか。
私にはもう、分かんないよ。
「美織は悪くない」
教室に戻ると、いつも爆睡してる悠李が珍しく起きてた。
「悪いのはアイツ。美織や小雪が傷つくことじゃない」
「だけど、私のこと好きになれないのは私に責任があるんじゃないかな」
「違う。好きじゃないのに付き合ったアイツが悪い」
「思ったんだけどさ、悠李って結城のことけっこう嫌いだよね」
特に悠李と結城って家がお向かいさんで、だから私と結城が付き合ってること知ってるんだけど、仲いいって印象は昔からない。
インドアを極めている悠李と、パリピを極めている結城って違う星にいる人間じゃないかってくらい離れてると思うけど、一応、幼なじみみたいなもんでしょ。
「幼なじみじゃない。ただの腐れ縁」
あれ、口に出してないと思ったんだけど。

