青の彷徨



「それから、どうして付き合ってること秘密にしようとしたの?」


私も守るためだって言ってたけれど、今思えば、何から私を守るの?


「ひどいこと言うけれど、それを聞いたとき、結城は美織のこと好きじゃないなって思った。あと、クラスでの態度も含めて」


「秘密にしようって言ったけれど、結城は本当に誰にも言ってないと思う」



小雪には話していい?ずっと私のこと応援してくれたの。

小雪ちゃんなら口堅そうだしいいよ。



付き合ったときにそういう会話をしたの、懐かしい。



「彼女がいるからって言って女子と話すのを控えたりするんじゃないのかな。だけど、女子との距離も今まで通りだし」


彼女は私。

その名目があるから気にならなかった。


結城の一番は私だっていう優越感みたいなものもあったかも。



「私はもう、結城を信じることができない」


小雪はけっこうはっきりとしゃべるタイプなのに、自信のなさそうな声で今にも泣きそうに思える。


「ごめん。私はもう美織のこと応援できないや」