廊下で毛布&ストールスタイルでいると生活指導のおばさんからすっごい怒られるから仕方なく防具は全部教室に置いておく。
いつも私は守りに徹してた。
こうやって丸腰で突っ込んでいくのってなかなか怖い。
隣のクラスだからすぐに着いてしまって、私が教室を覗く前にすでに小雪が廊下の方を見てて、秒速でこっちにやってくる。
「……悠李から詳しい話聞いたでしょ」
「けっこう具体的に聞いたんだけど、小雪の話も聞きたいなって思って」
小雪の頭上から教室を一周見渡した。
「結城は外で遊んでて、愛華ちゃんは委員会」
バレてた。
でもその方がよかったよ。
どっちかでも見たら精神保てる自信ない。
「私、ずっと迷ってたの」
小雪は壁側にもたれてふうっと息をつく。
「おかしいって思ってたところたくさんあったんだよ。だけど、それ以上に美織がずっと結城のこと好きっていう事実も知ってる。美織が傷つかないようにってしてきたことが全部、美織を傷つけてきたかもしれない」

