青の彷徨



黒い学ランは脱ぎ捨てて、青いブレザーに袖を通す。


真っ赤なネクタイはまだ慣れなくて、ドアの窓部分を使って、曲がってないか何度も確かめる。




ビルがたくさん並ぶ駅から歩いて数分。


同じ青の制服を着る人たちがいて、それに流れるように向かっていく。




これからどんな高校生活になるんだろう。


硬い革靴と、硬いかばん。


ピンと張った制服。

俺、身長伸びるって期待されてる?



俺が身長っていう武器身に付けたら最強になっちゃうけどいいの?



だけど、そんな最強だった中学時代も青を一緒に置いてきて、ここにある俺はゼロでしかない。


ここから、始まる。