そして、冬の卒業はすぐに来る。 桜なんてまだ遠い。 雪の足跡がちょっとだけ薄くなった。 学ランの隙間から冷たい風は容赦なく攻撃してきて、震えあがる俺を横に卒業ソングは桜、桜、桜とまるで桜に別れを告げるかのように。別れを告げるのは中学だっつうの。 木枯らしが雪をぬぐって新しい春の芽を誘い込む。