「いいよ。開けて」
ゆっくりと目を開けて、迷子にならずに手首を手に取る。
分かるよな。俺が何したか。
「………どうして」
「どうしてって何も。今日のお礼。コンビニでお茶買ったときに見つけて」
「都会のコンビニにはそんなのも売ってんのか」
感想そこじゃないだろ。
きらきら輝くのは、ブルーのストーン。
こんなの安物だけど。
その輝きもこれで終わりなのかって思うと、流れ星のような儚さもある。
「これ、宝物にする!いや、家宝だよ!!」
「そんな大層なものにしないで」
これはただの今日のお礼に過ぎない。
たったこれだけで済む話じゃない。
終わりになんて簡単にできるほど、してしまったことは小さなことじゃない。
覚悟を決めて、もう一度、ブレスレットを付けた右手を掴む。
今、俺、どんな顔してるんだろう。
みっともなくて、恥ずかしい。
だけど、これを恥ずかしいって思えたことにこれからの一歩がある気がするんだ。