青の彷徨



「戻ったら、二人のラブラブなとこ目の当たりにして泣くんだろうな。だってさ、俺、確実に付き合えると思ってたもん。こんな俺がフラれるわけないって」


だけど実際は目の前で別の男と抱き合って幸せそうに泣いている好きな子を見るハメになって、俺の全てが否定された感じがした。


恥ずかしい。こんなの自分じゃない。

何もかも思い通りにならなくて、奪われていく。焦らされて、どうしようってなって、どんどん自分が壊れていった。



きっと、今日、あのラブラブカップルといたら、この醜い嫉妬心を二人にぶつけるところだった。

そして、大好きな人を傷つけた俺のこと、もっと嫌いになる。


「今日さ、どうしようって思った。昨日の今日で、いつも通りのままでいられない。俺、そこまで強くないから、熱でも出したフリしてサボろうまで考えてたんだよ」


そんな顔しないでよ。

何で美織が辛いって顔してるの。


こんな話笑い飛ばしてよ。


なのに、真剣に、俺の目を見てくるから、俺も逸らせない。


「今日一日、俺を連れ出してくれてありがとう。一日、一緒に付き合ってくれてありがとう。感謝してもしきれないと思う」