「ありがとうね、今日一日私のわがままに付き合ってくれて」
「ううん。楽しかった。俺こそ感謝しないと、そこは」
今いるここが、夢の跡地になる。
夢みたいにふわふわしてて、実体がなくて、記憶としてしか残らない。
やっぱり、俺も、ここは秘密にしておきたいな。
「楽しいしかなかった。辛いこと、全部どっか行ったみたいに」
かわいくて、おいしいパンケーキを食べた。でっかい唐揚げ、地元にはない豪華なタピオカ。
一日の色んな景色が頭の中を回る。
そこに辛いって気持ちはない。
笑顔と、おいしさと、そして楽しいしかないんだ。

