青の彷徨




「これぞ夢の世界って感じするね!」

そう、それ。夢の世界。


「今ね、ちょうど人が全然いない時間帯だから思いっきり楽しめるって言ってた。ラッキーだね!」


たしかに周り人がいない。

俺が今驚いてるのも周りに人がいないから感じれるってのがあるし。



プロジェクションマッピングの枠にはおさまらない、足から天井まで映像に囲まれて、本当にその世界にたどり着いたみたい。


今はひまわりに囲まれている。


一枚一枚の花びらが立体的に感じる。


「すごーい!めっちゃきれい!やばいね!!」

「え、美織のチョイス神すぎん?」

「ちなみに今日はここで最後!ラストにここ選んでよかった~」


最後ってワードが妙に頭に残る。

そうだよ。この時間が永遠なわけない。


ここから帰ったら俺は成立確定だったのにフラれた残念な男子になる。


「そんなにしんみりしないでよっ。最後まで楽しもう!」


俺に向けたその笑顔は満開のひまわりみたいだ、なんてロマンチックかよ俺。

だけど、本当に花みたいだって思っちゃったよ。