青の彷徨



美織はこの景色を見て何を感じているのだろう。


同じことは思ってないと思う。

俺が地元を思い出すこの緑だって美織が見たら新鮮ですごいって興奮しているだろうな。

本当に俺らって何一つ交わらない。



だから、これからもきっと交わることはないだろう。





「結城、次の駅で降りるからね!大丈夫!?寝てない?」

「ちゃんと起きてるわ」


寝れるような状況下じゃないだろ。

電車の中で寝れるほど電車のプロじゃないんで。



十分くらいかな。そんなに電車には乗ってないけれどいくつかの駅を通り過ぎた。


停まったけれど誰も降りなかった。池袋とか原宿みたいな超有名な駅ではない。

だけどちゃんと改札はあって駅員さんがいる。

さすがは東京。