いったい何するんだ。
美織は縛っていた髪をほどいて手で軽く直す。
けっこう髪の毛長いんだ。校則のせいで髪の毛上げてるとこしか見たことないから新鮮。何年も一緒にいるけど髪の毛おろすのかなりレア。
これならただのクラスメイト程度ならバレないかも。
俺の制服は白シャツ黒ズボンっていう無難スタイルだから隠す必要性なし。
美織も黒色のカーディガン着ればどこの中学生かなんて分からないと思う。
「いいじゃん」
「でしょ。カーディガンは小雪に借りた」
「後で俺も一緒に感謝申し上げるわ」
たしかに美織が着るにはちょっとサイズ小さいかも。
それでも違和感なし。
俺はちょっとしたら不審者になりかねないから前が見える程度に軽く帽子かぶる。コンタクトずれたらやばいと思ってリュックにメガネ忍ばせておいて正解。

