青の彷徨



だから美織がどういう気持ちで今いたとしても、俺がどうするかは決めている。


「お、商店街?」

「そう!そうてんが……ちがう。商店街!」


美織さん、さすがに何事もないふりは無理です。


そうてんがい……やばい。これだけで3年は笑える。


「あははっ、ツボった」

「もうっ、そこは忘れて!」



バシンっと一発脇腹にチョップが入る。



………痛い。



すみませんでした。





地味にひりひりする脇腹を抑えて俺らはそうてん………商店街の中へ。


商店街ってもっと廃れてるっていう偏見あったけど、今払拭されたわ。

八百屋とか、洋服とか、雑貨とか色んなお店があって、デパートみたいな品揃え。


地元の人が日常を営んでいて、制服姿の俺らは明らかに浮いている。

だけど浮いている俺らをあんまり気にしないのが東京パワーなのかもしれない。


隣で美織がめっちゃ堂々としてるから俺も気にしないでおこう。




「そうそう、私、あの唐揚げ屋さん行ってみたかったんだ!平日だから人少ない!ラッキーだねっ!」