青の彷徨



美織のことは嫌いじゃない。

だけど好きかって言われたらうんって言えない。


これ言ったら失礼かもだけど、付き合うって考えられない。

美織は女子ってよりも仲間で、俺も男子って面を見せなくて家にいるとき家族といるときみたいな気持ちで接していた。



だけどさ、美織がそうだとは限らないじゃん。



俺、分かってたんだ。

美織が自分のこと好きなのが。

毎年、美織は俺にチョコレートを持ってくる。学校に持ってくるのは校則違反だから学校終わりに家までわざわざ届けてくれる。


毎年、義理のつもりでもらっていた。

そこにこもっている気持ちなんて無視していた。


ホント俺、最低だよな。

美織は絶対毎年俺にチョコレートをくれるんだって思ってた。



初めて、チョコレートを貰えなかったって気づいたときにはすでにこうなるって決まってたかもしれない。



自業自得ってやつだ。