「僕さ、恋愛で報われたことがないからさ、こういうの全然分かんないんだよ。あのさ、えーっと、その、これからもよろしくお願いしますでいいの?」
「うん。これからはカレカノとしてよろしくお願いします」
「聞いた!?世界中に向けて叫びたい!!僕にカノジョができたって言いまわりたい!ねえ、これ夢じゃないよねリアルだよね!」
「やっぱムカつくわ」
ちらりと物陰の方を覗くとハンカチで目元を拭いてる小雪ちゃんの姿とすっと親指を立てている美織ちゃんのお姿が。
いや、分かってたよ。
ここまで追ってきて最後だけ散るってそういうタイプじゃないもんね。きっとその裏には悠李くんもいるんでしょ。
目が合うと美織ちゃんは小雪ちゃんを連れて反対方向へ行ってしまった。

