だけど、ごめんなさい。
自信満々で私のこと見てくれるけど。
私が好きなのは……。
「私は蓮が好き。だから結城の気持ちには応えられない」
初めて血の気がさあって引いていく人の姿を見た。
そして何も言わずにくるりと後ろを向いて去っていく。
生きているのか分からないゾンビみたいな歩き方。
はっきりと分かった。
私はこの人を傷つける未来しかないんだって。
あの時に戻れたら、私がはっきりと突き放していたら、私が裏のない純粋が少女だったら。結城をここまで傷つける未来はなかったかもしれない。
ごめんなさいだけじゃ足りないことをした。
だけど、ありがとう。
私を好きになってくれてありがとう。

