青の彷徨



「ねえ、あれ!!」


ぼんやりと外を眺めていた小雪ちゃんが急に立った。

何ごと!?と思ってぐるんと小雪ちゃんが向いてる方向見る。



「急ごっ!ほら、蓮も!!」


小雪ちゃんに腕を引かれて急いでお店を出た。




「待ってたアトラクションって2時間待ちとかじゃなかった!?」

「予定変更したかも。この後パレードだし」

「絶対それだ!パレードは絶対見るって言ってたもん!」


三人がすごい速さで分析していく中、僕はまだ何が起こってるのかよく分からない!


愛華ちゃんたちは今パレードの方に向かってるってこと!?


え、アトラクション待ってたよね!?



ど、どういうことなんすか!!??



てか、パレード会場ってここからけっこう歩くよね!?


「もうへばった?陸上部が」

にやにやすんな!


悠李くんだって息荒いですよ!!??

さすがは美術部!!


「ねえ、パレードまでまだ時間あることない?」


美織ちゃんが小走りながら小雪ちゃんにお尋ねする。

たしかにそれはある。


パレードまで時間があるからアトラクションで時間潰してるって推測してたよね!?


だけど小雪ちゃんは冷静で真剣な顔してる。


「席の確保でもしておくのかな。もう知らん!何でこんなに動き回るのよ!」


キレてるわ。さすがの小雪ちゃんでも。


僕はいつもの追跡で突拍子もない動きに慣れてるから深く思わないけれどなあ。



「蓮!悠李!うちらで場所だけ確認しておくから二人でどっか回ったりしてな!」



僕たちまでキレられました。

いってらっしゃい!と美織ちゃんにもスマイルで送り出され、僕らはとぼとぼと別の方向に向かう。


またLINEする!と悠李くんの方へメッセージが送られてきた。



とりあえず休憩。走り回って二日目の疲れが…。


「さっきのご飯が戻ってきそう…」

「マジそれな!」

「蓮は疲れても元気そうだな…」

魂飛んでく寸前?ってほどやつれてますが。