青の彷徨



でもさ、毎日先輩たちに呼ばれてません!?

この前みたいにビンタされるみたいな暴力はそんなないけれど、何回も見ているうちに先輩たちが呼び出す理由が分かった。



バレー部の先輩の好きな人が愛華ちゃんのことを好きで、それの八つ当たり。



そんなの誰も悪くないじゃん!

好きな人に好きな人がいるのなんて当たり前だし、両想いなんて奇跡みたいなものなんだよ!羨ましいよ!

ってちょっと私怨入ってしまった。



そんな理不尽な文句にも愛華ちゃんは何も言い返さない。


そのたびに小さくなって泣いて、すぐに涙を拭いて部活に戻る。




なんて健気なんだ!

めっちゃ守りたいって思った。



クラスでは相変わらずなんだけど、それでも僕は本当の愛華ちゃんを知っているから。



「蓮!どこだ!出てこい!!」


あ、僕も部活……。