青の彷徨



私が結城のことを好きだって気づいたのは小3のとき。

近所の犬にいっつも吠えられて犬が怖くなった私に、うちのモジャはえらい子だよって言って会わせてくれた。


もじゃもじゃの毛のモジャはぬいぐるみみたいで、ずーっと私に尻尾振って楽しそうにしてくれた。


それから何度も結城はモジャに会わせてくれたんだけど、その頃はモジャじゃなくて結城に会いに行ってたようなもの。


こっちだよって手を引っ張ってくれて、振り向いてにこって笑ってくれてる。

あの笑顔を見ると、自分の中にある不安とか恐れとかがなくなって、結城と一緒なら可能性が無限大に広がるんだってわくわくした。