あのバレンタインの日、私はいつものようにチョコレートを手にしていた。 去年はクッキーだったら今年はマフィンにしよう。 彼はいつも私のチョコをおいしいと言ってくれて、毎年違う味にしていたら今年のはいいね!って言ってくれるんだ。 チョコレートを溶かす湯煎は熱すぎて、世界は冷たいと熱いの二択しかないかとちょっとイラッとする。 だけど、そのイライラも結城のためを思って作るチョコのおかげで忘れちゃう。 学校にチョコを持っていくのは校則違反だから、一度家に帰って結城の家に向かう。