それから想いを伝えられないまま、 季節だけが巡っていった。 気づけば、中学生になって 受験生になるのもあっという間だった。 たぶん、チャンスは数え切れないほどあったんだと思う。 でも、どうしても言えなかった。 『好きです』 こんな、たったひとことが。 キミに話しかけようとすると、 足が鉛みたいに重くなって 唇にチャックが実装されたみたいで 結局、キミに話しかけることすら叶わなかった。