空を架け君の元へ

部屋の中はホコリ臭く、いかに使われてないかが瞬時にわかった。


ポロン……

「!!……音、狂ってない……」

『あ、分かる?ここは、思い出の場所だからこのピアノの調律はよくしてるの。』

「そうなんですか。」

『沢本さん、ピアノやってるの?』

「いえ、してません。」

『そう……でも遥先生褒めてたわよ』

「そうなんですか?たいしたことないです……え?」

『やっぱり。あなた、沢本綾さんの娘さんね?』