そして彼の影が動いたのを見て私は顔を動かす。穂高と目が合ったときには、すでに彼の手が頭に触れられていた。
麦わら帽子越しだから直接じゃない。けれど彼の大きな手のひらの感触が伝わってくる。
この接触がどういう意味なのか理解できない。同情しているのか、彼なりの慰めなのか。
「俺は、今こうしてほのかと一緒にいられてよかった。ここにほのかがいて」
どんな言葉を投げかけられても上手く返そうと思っていた。なのに、これは不意打ちだ。彼の落ち着いた声は、目の奥を熱くさせる。無意識に繋いでいた手に力が入った。
汗ばむのとかもう気にならない。穂高は改めて握り直してくれた。
私はまだここにいてもいいのかな? 世界が終わるそのときまで。
「少し休もうか」
穂高の家を出て一時間以上になる頃に、彼から提案してきた。
さすがに疲れを感じていた私は小さく同意する。ここまで歩いたのは久しぶりで、普段部屋に引きこもりがちの私としては、情けないけれど足が棒みたい。
今日より明日の方がよっぽど痛むだろうな、と予想するとわずかに憂鬱な気持ちになる。それでもいいか。明日が無事に訪れればの話なんだから。
日陰に入ったおかげで体感温度は下がった。どちらからともなく手を離し、屋根のあるバス停のベンチにふたり並んで腰掛ける。
プラスチックの青いベンチは色褪せてあちこち汚れているし、座る必要がないなら遠慮したいところだ。でも今はそうも言ってられない。本当に疲れた。
ごみの収集もないから、道路にもここにも多くのごみが散乱していた。見慣れた風景が荒れていくのを見るのはなんとも言えない。
麦わら帽子越しだから直接じゃない。けれど彼の大きな手のひらの感触が伝わってくる。
この接触がどういう意味なのか理解できない。同情しているのか、彼なりの慰めなのか。
「俺は、今こうしてほのかと一緒にいられてよかった。ここにほのかがいて」
どんな言葉を投げかけられても上手く返そうと思っていた。なのに、これは不意打ちだ。彼の落ち着いた声は、目の奥を熱くさせる。無意識に繋いでいた手に力が入った。
汗ばむのとかもう気にならない。穂高は改めて握り直してくれた。
私はまだここにいてもいいのかな? 世界が終わるそのときまで。
「少し休もうか」
穂高の家を出て一時間以上になる頃に、彼から提案してきた。
さすがに疲れを感じていた私は小さく同意する。ここまで歩いたのは久しぶりで、普段部屋に引きこもりがちの私としては、情けないけれど足が棒みたい。
今日より明日の方がよっぽど痛むだろうな、と予想するとわずかに憂鬱な気持ちになる。それでもいいか。明日が無事に訪れればの話なんだから。
日陰に入ったおかげで体感温度は下がった。どちらからともなく手を離し、屋根のあるバス停のベンチにふたり並んで腰掛ける。
プラスチックの青いベンチは色褪せてあちこち汚れているし、座る必要がないなら遠慮したいところだ。でも今はそうも言ってられない。本当に疲れた。
ごみの収集もないから、道路にもここにも多くのごみが散乱していた。見慣れた風景が荒れていくのを見るのはなんとも言えない。


