「うん。その人が中心になってね、一部の人たちが巨大な地下シェルターを作っているんだって」
そういった類の話は与太話も含め、散々聞いてきた。一部の政治家や権力者は、都心の地下深くに国民には内緒で自分たちのためだけに巨大なシェルターを作っているんだとか。
どうしても胡散臭く感じてしまう。渡辺さんの話がどこまで本当なのかはわからないし、聞いた噂の件とは別なのかもしれないけれど。
私たちの訝し気な空気を汲み取ったのか、渡辺さんは声のトーンを上げて必死に続けた。
「ほら、隕石がぶつかって恐竜は絶滅したけど、すべての生物が死に絶えたわけじゃないでしょ? しばらく地上で生きられないなら、それまで強固な地下深くのシェルターで生活すればいいのよ!」
彼女の瞳には曇りなどなく、むしろ希望で満ち溢れている。疑いなど微塵もない。
おかげで、私の気持ちも揺れそうになる。もしも、そんなシェルターが本当にあるのだとしたら……。
「ね。でもシェルターには限りがあって、特別な人しか入れないの。私たち家族は選ばれたんだけれど、お父さんに頼んで口をきいてもらうから。だから安曇くんも行こう」
まるでここにいないかのように扱われる私は、穂高の返事を緊張して待つしかできない。彼の表情だけでは、相変わらずなにを考えているのかわからない。穂高はふっと笑った。
「ありがとう。でも遠慮するよ」
虚を衝かれたのは私だけではなく渡辺さんもだ。すかさず彼女が噛みつく。
そういった類の話は与太話も含め、散々聞いてきた。一部の政治家や権力者は、都心の地下深くに国民には内緒で自分たちのためだけに巨大なシェルターを作っているんだとか。
どうしても胡散臭く感じてしまう。渡辺さんの話がどこまで本当なのかはわからないし、聞いた噂の件とは別なのかもしれないけれど。
私たちの訝し気な空気を汲み取ったのか、渡辺さんは声のトーンを上げて必死に続けた。
「ほら、隕石がぶつかって恐竜は絶滅したけど、すべての生物が死に絶えたわけじゃないでしょ? しばらく地上で生きられないなら、それまで強固な地下深くのシェルターで生活すればいいのよ!」
彼女の瞳には曇りなどなく、むしろ希望で満ち溢れている。疑いなど微塵もない。
おかげで、私の気持ちも揺れそうになる。もしも、そんなシェルターが本当にあるのだとしたら……。
「ね。でもシェルターには限りがあって、特別な人しか入れないの。私たち家族は選ばれたんだけれど、お父さんに頼んで口をきいてもらうから。だから安曇くんも行こう」
まるでここにいないかのように扱われる私は、穂高の返事を緊張して待つしかできない。彼の表情だけでは、相変わらずなにを考えているのかわからない。穂高はふっと笑った。
「ありがとう。でも遠慮するよ」
虚を衝かれたのは私だけではなく渡辺さんもだ。すかさず彼女が噛みつく。


